本書の概要

THE PICTORIAL OF AMMONITES FROM HOKKAIDO


想像図
イラスト/今村 享

北海道は火山や湖、広大な湿原、山脈などを擁した雄大な景観に恵まれ、今も原始の面影をとどめた美しい森林や稀少な動植物群も残されています。
この豊かな自然は変化に富み、複雑な地質を抱えた大地を形作くり、遠い過去は深海底であった。現在、北海道を形成したといわれる地質作用の全体像が少しずつ明らかになっています。
その中でも、太古の海に生息したアンモナイト類は、個体数・種類・進化速度も著しい生物で、その化石は保存状態の良さ・種類の多さで世界に広く知られ、その詳細な研究から地史の解明も進んでいます。
現在、人類は地球環境に多大な影響を与えるまでに文明を進化させ、活動範囲は宇宙圏へと広がっています。

標本
Pachydiscidae gen.et sp.indent.カンパニアン 中川 Furuta E. Coll.

しかし私たちは永い繁栄の果てに衰亡し、絶滅していったアンモナイトから自然界や生命現象の仕組について、まだ多くを知ることはできません。
地球と生物の間に関わる貴重な問いかけも少なからず含まれています。
本書の目次内容を紹介し、おおよそ概要をご理解いただければ幸いです。

『北海道アンモナイト博物館』
『北海道アンモナイト博物館』

■  目  次  ■

  • グラビア
  • 目次
■北海道一地質と白亜紀
日高山地/北海道の自然と地質/北海道地質測量日本蝦夷地質要略之図/ 北海道の衛星画像/地質年代表/北海道地質図/北海道の誕生/ 日高山脈の上昇―めくれあがる深部地下/北海道の地質断面図ほか/重力異常/ 白亜紀―中生代最後の地質時代/テチス区とボレアル区
■化石
ノジュール/ノジュールのクリーニング標本/ライマン ・コレクション―日本初の研究標本/化石、アンモナイ ト化石の色の違い/タフォノミー 化石化作用の研究分野 /タフォノミー手法の拡大、大型アンモナイトの殻の役 割/学名と用語解説
■頭足類とアンモナイト亜綱
北海道の頭足類 アンモナイトの仲間たち/オウムガイ 太古を生き抜いたアンモナイトの仲間/オウムガイ亜綱 /コレオイド亜綱/アンモナイト亜綱/アンモナイトの 体構造/縫合線/アンモナイトの卵と幼殻/アンモナイ トの幼殻の構造/「アンモナイト」―由来や用語法など
■顎器
オウムガイ亜綱、コレオイド亜綱/アンモナイト亜綱/フィロセラス亜目、リトセラス亜目/アンモナイト亜目/アンキロセラス亜目
■北海道のアンモナイト
産出化石の種類/形態/アンモナイトの成熟年齢/殻の色模様/殻に色模様を残したアンモナイト/化石に残された傷痕/傷ついたアンモナイト/マダカスカル化石紀行 不思議な地形と美しい自然/参考文献
■図鑑の引き方
■アンモナイト図版目次
■系統図
フィロセラス亜目/リトセラス亜目/アンモナイト亜目/アンキロセラス亜目
■資料編
イノセラムス/研究者―偉大な先達の横顔/協力機関・協力者/参考文献/学名索引/あとがき
inserted by FC2 system